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インターネット広告でたびたび話題を呼ぶITPという言葉を聞いたことありますか?
「単語は聞いたことあるけど内容は分からない。」「詳しいアップデート内容が分からない。」「そもそもITPって?」というような方も多いのではないでしょうか。
ITPとは何かをいう部分から目的、アップデートの経緯についてご紹介いたします。
ITP(Intelligent Tracking Prevention)の頭文字をとった略称の事です。
Apple社のメインWebブラウザである「Safari」に搭載されているwebサイトトラッキング(※後述します)に関する機能のことです。
ITPは「Safari」使用ユーザーのサイトトラッキングを制限するための機能です。具体的には広告のリターゲティングや購入経路の計測、ユーザーデータの蓄積を防止して望まない追跡を制限しています。ユーザーのトラッキングに対する不安な声に対応し、アップデートを行っております。
またITPの後ろについている数字がバージョンを表しており、現在は最新バージョンのITP2.3がリリースされています。
インターネット上でユーザーの行動を記録する事です。web上でとのようなサイトを閲覧してどのくらい閲覧したら、何を購入したのか、ITPではこれが制限しています。
ユーザーはWebサイトを閲覧した際のデータをCookieという形で保存しており、データはログイン情報や商品閲覧情報など様々です。
ログインの情報や閲覧情報などがCookieに保存されることで再入力の不便さや再度商品を探す手間が省け利便性が向上します。そして、リターゲティング広告もCookie情報を利用してユーザーをターゲティングしています。
ITPではこのCookieデータの一部に制限を掛けることでユーザーのプライバシー保護を行っています。
閲覧したサイトから付与されて一時的に閲覧データを保存する仕組みです。
大きく分けて2種類あり、ファーストパーティcookieとサードパーティーcookieがあります。ファーストパーティーcookieは訪れたサイト内で付与されるもので、サードパーティーcookieはサイト内にある別のサイト(ディスプレイ広告など)から付与されるものです。
それぞれの特徴として、ファーストパーティーcookieはブロックされにくくそのサイト内でのみ使用、サードパーティーcookieは広告などから独自に付与されてるものなのでそのサイト内でユーザーに迷惑を与えることがないという利点があります。
それぞれの特徴として、ファーストパーティーcookieはそのサイト内でのみ発行されるログイン情報を保存するものなので、その利便性からユーザーからブロックされにくい事が特徴です。
サードパーティーcookieは、他のサイトを横断して計測→広告出稿などに利用されるためユーザーからしたら追われている気持ちになり「また広告が出てきた」と思われる原因となっております。
・サードパーティーcookieの利用が制限
過去にそのサイトを訪れた事のないユーザーに対して、サードパーティーcookieを発行。24時間後に無効となり、30日後に削除されるアップデートです。
参考:https://webkit.org/blog/7675/intelligent-tracking-prevention/
・サードパーティーcookieの制限を更に強化
過去そのサイトに訪れたユーザーでも24時間以降はcookieデータは削除されるアップデートです。これによってサードパーティーcookieの利用時間が厳しく制限されました。
参考:https://webkit.org/blog/8142/intelligent-tracking-prevention-1-1/
・サードパーティーcookieの制限が更に強化
過去にそのサイトに訪れた事のないユーザーでもcookieデータの即時削除
・ファーストパーティーcookieの利用が制限
4つ以上のサイトにリダイレクト(※1)されたcookieは即時削除
トラッカー(※2)として判断された場合のcookieのリファラ(※3)情報が削除
※1 リダイレクト:指定のページから他のページへ転送させること
※2 トラッカー:トラッキングを行うためのシステムや人のこと
※3 リファラ:リンクからリンクへ移動した時のリンク元情報(どこから来たか)
参考:https://webkit.org/blog/8311/intelligent-tracking-prevention-2-0/
・ファーストパーティーcookieの利用が更に制限
ファーストパーティーcookieの利用期間が最大7日間に変更
参考:https://webkit.org/blog/8613/intelligent-tracking-prevention-2-1/
・ファーストパーティーcookieの利用が更に制限
多数のサイト内でトラッキングを行うためのリンクへユーザーIDを付与することでトラッキングしている場合は、cookieの利用制限が1日に変更
参考:https://webkit.org/blog/8828/intelligent-tracking-prevention-2-2/
・ファーストパーティーcookieの利用が更に制限
リンクへユーザーIDを付与しているサイトから流入したユーザーへのcookie以外のデータの使用についても7日間に制限
参考:https://webkit.org/blog/9521/intelligent-tracking-prevention-2-3/
・サイト流入リクエストでのリファラーがドメイン単位に統一
・トラッカーの認定の有無に限らずサードパーティーcookieの即時削除
参考:https://webkit.org/blog/9661/preventing-tracking-prevention-tracking/
・safariの大幅アップデートによりサードパーティーcookieの完全なブロック
・7日間サイトに遷移しなかった場合、スクリプト可能なストレージデータ(※4)(Indexed DB, LocalStorage, Media keys, SessionStorage, Service Worker registrations and cache)を削除
※ホーム画面に追加されたアプリ内データはsafariではない為削除対象外
※4 スクリプト可能なストレージデータ:すぐに利用可能なデータ=簡単にターゲティングに利用出来てしまう情報のこと
参考:https://webkit.org/blog/10218/full-third-party-cookie-blocking-and-more/
Apple社によるITPアップデートは今後も続いていきます。またGoogleでも2022年までにサードパーティーcookieの廃止を宣言しています。
広告の配信をする事業者にとっては見逃せない問題です。
今後も最新アップデートは随時チェックして動向を確認するとともに、広告媒体のアップデートも確認し正確な効果計測を行っていきましょう。